文春に勝訴も「自死覚悟」した木下博勝氏 息子へのイジメ、つらい胸中告白
『ありがとう、松ちゃん』刊行イベントで激白
■メディアよ、文春に倣えでいいのか?
村西:木下先生、ありがとうございます。皆さん、お分かりいただけましたか? 文春に追い詰められ、死を覚悟した人がいるんです。私の友人の大学教授も、文春の記事で大学を辞めさせられ、喉頭がんにまでなってしまいました。彼はなんとか友人に支えられて生き延び、裁判でも勝訴しましたが…こういう被害者が山ほどいるんです!
文春は「真実相当性」という言葉で逃げる。取材は尽くしたと言いますが、客観的証拠はないんです。松本君の件でも、真相は全然違うんです。A子のネタにしても、最初はコアマガジンという出版社に持ち込まれたのですが、私の40年来の友人である同社の社長は「これは金目当てのネタだろう」と判断して、イニシアルと似顔絵で載せていたんです。
それを文春は「これはネタになる。(訴えられて負けても)2~300万円で済むなら大したことない」と飛びついた。そして、たった1回の品川駅での突撃取材だけで、あの記事をデッチ上げて、12週にわたって松本君を叩いた。「死ねよ」とばかりに。
日本のメディアはコタツ記事ばかり書いて、とにかく真実を検証する努力をしない。2002年にあった福岡教師殺人事件でも、文春がでっち上げた記事で先生が10年間苦しんだんです。仕事も失って。昔は文春のでっち上げ記事の嘘をテレビ局が独自取材によって暴くということもありましたが、今は文春に倣えになってしまっています。
文春は芥川賞や直木賞を主催する(編集部注:現在の主催は日本文学振興会に引き継がれている)メディアのドンだから、これに歯向かったら大変なことになると、他のメディアもライターも一切沈黙しているんです。こんな表現の自由、報道の自由を放置してはいけません。皆さんの良識が最後の砦なんです。本当に憤ってほしい。私も最後の最後まで戦っていこうと思っています。皆さん、ぜひご協力をお願いします。
取材・構成:BEST T!MES編集部
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